ここでいうものさしとは価値観のこと。今日は価値観のお話。
また私の家族の話をしますが、我が家は祖母(母の母)、父、母、兄、私の5人家族でした。祖母と父は親子ではなかったので(マスオさんみたいな、婿養子ではないので表札が2つある家)、二人の仲が本当に悪くていつも相手を否定し合う関係。父は祖母も母も自分の価値観で判断し、間違っていることは否定し続けてました。母も母で、私と兄に対して自分の理想や正しさを押し付けて、母の価値観に正されるという子育てでした。
私は髪を伸ばすことさえ許されませんでした。母にお願いしても、母のショートカットがいいという判断の押し付けで、少し伸びると即お店に連れていかれて切られていました。リカちゃんも大好きだったし、女の子っぽく長い髪に憧れてましたが、いくらお願いしても却下。小学生低学年くらいまでは外出先で男の子に間違えられることも多く(赤いワンピースを着ても「ボク」と呼ばれてた…)、とにかくコンプレックスでした。髪の長い友人を見ては「いいなーいいなー」と羨ましいばかり。それくらい、私の意見は否定され続けたし、聞き入れてもらえず母の価値観を押し付けられていました。

小学校と中学校はかなり小規模校で、小さい頃からお互いを知り尽くしている関係だったので、多少なりは人間関係トラブルがありましたが、そこまで大きな問題はなく、高校生になりました。
高校生時代が大変だった!私自身「私は間違ってない!」という思い込みも強かったので、自分と違う価値観の人にはそれを伝えて、なんとか自分の道に正す。相手を否定して、相手の価値観を完全無視で自分の価値観を押し付けるスタイル。ご想像の通り!モメました。そりゃそうですよね、そんなのモメない訳がない(笑)その当時は、本気でそれをやっていました。私が相手を正すことが、相手のためだと本気で思っていたので、一番タチが悪いパターンです(笑)だって、知らなかったんです。自分とは違う価値観がたくさんあって、それを受け入れることが一番の解決の糸口だなんて。
人間関係がうまくいかなかった高校時代は暗黒の歴史として頭に刻まれています。もちろん、楽しくお付き合いできた友だちもいるので、そんな仲間とはお互い母になった今でもお付き合いさせてもらってます。大学に入っても割とそのままの自分でしたが、高校時代よりは仲間が選択出来たのでそこまでのトラブルはありませんでした。

就職したとき出会ったのはこれまた、私を否定する上司。一緒に組んでいたのですが、何か意見をいうと「えー、でもそれって」で返ってくる。ささやかなことすべて「え、でも」で返ってくる。ずっと認めてもらえない。仕事で完璧にこなしたい私と、結局はずっと認めてもらえない苦しみ、満たされない心。これも心と体が壊れた原因のひとつでした。
結婚、妊娠、仕事もやめて出産しそれなりに人生経験を積み、それなりに昔よりは価値観を多少は受け入れることができるようになっていきましたが、ここで私の価値観についての概念を大きく覆す出来事がありました!
それは、娘の幼稚園ママたちとの出会いでした!!!そう、今でもずっとお付き合いしてる、ハンドメイドのメンバーと、ご近所のママ。彼女たちに出会えたことで人生が一変しました。
彼女たちは私のことを否定しなかったのです。ありのままで全部受け止めてくれた。ワガママな私にも全部OKを出してくれた。ハンドメイドの話し合いで何を意見しても「おー!いいねー!」と受け入れてくれる。否定されない安心感。他のメンバー同士の話も私から見たら明らかに「え、でもそれ無理じゃない?」って言いたくなる提案にも、みんなは「なるほどー!それ面白そうー!いいねー!!やりたいね!」と、それを現実にする方法をみんなで一生懸命考えるのです。私には信じられなかった。今までとは全然違う世界。私の知らないあたたかい世界。私は自分を受け入れてもらえることで、初めて「自分の価値観で判断して正すのではなく、多様な価値観を受け入れることでみんなが幸せになれるんだ!」「相手を受け入れるってこういうことか」と、やっと気付いたのです。

そのときには30歳を過ぎてました。
人の数だけ価値観が存在して、自分以外の価値観を認め取り入れることで、既存のものと融合し、また自分の中に新しい価値観が構築される。そうすることにより人として器が広くなり、豊かな人間性が育まれるのだと気付いたのはほんのここ数年のこと。
子育てする上で大切にしていること。
「あなたは正しいと思うよ。そして、あなたが正しいと思うのと同じだけお友達も正しいと思ってるよ。それはどちらも間違いではないからね。色んな人がいるんだよ。」
多様な価値観が存在することを教えてあげること。私は本当に教えてもらえなかった。そして自分で気付くには時間がかかりすぎてしまった。祖母は4年前他界しましたが、父も母もまだまだ元気、今はとてもいい関係なので「当時あり得なかったんだけどー(笑)」と笑いながら言えます。母も父も私が大切だったから、二人の愛情だったとわかるので、それをすべて受け入れています。おかげさまで二人が反面教師で私の育児に役立ってます(笑)ありがとう。
そして人生を変えてくれたのは、やはり仲間。
私に出会ってくれてありがとう。
私を受け止めてくれてありがとう。
私に気付きをくれてありがとう。
そして私を変えてくれて本当にありがとう。
「人間」って「人の間」って書くよねー、と先日教えてもらいました。言われてみれば、本当に。
やっぱり人間、一人では生きていけないですね。

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