人に迷惑をかける力

あなたは小さい頃親から「人に迷惑をかけてはいけない」と言われて育ちませんでしたか?「人に迷惑をかけなさい」なんて言われた人は稀なのではないのでしょうか。もちろん私も親から人に迷惑をかけない生き方をするよう言われて育ったし、両親ともに一般的よりもその考えが強かったようにに思います。

忘れもしない。11歳の時、友だち5人で友だちのおうちで遊んだのです。昼間からずっと遊んで、夕食を食べて、みんなお泊まりで盛り上がる中、私だけ母がお迎えに。4人はお泊まりなのに、私だけ!!!!友だちのお母さんが何回も「ふみちゃんも泊まっていいんよ」って言ってくれるのですが、母は「とんでもない!迷惑をかけたらいけないから連れて帰ります」と強制送還。私だけ帰らなければならない。本当に辛かったですよ、だからいまだに覚えてるのでしょう。母に「なんで?」と何回聞いても「相手に迷惑でしょ!」そう、私は迷惑をかける存在。私がいたら相手は迷惑。そんな潜在意識がずっと心の底に根付いたまま成長しました。

私はどうなったか?

相手に迷惑をかけてはいけない=他人は頼ってはいけない=なんでも自分一人で完璧にこなさなくては!!に、なりました。

なので、人に弱みも見せたくなかったし、仕事も完璧をひたすら追求しました。無理な仕事を抱えて、まず人に頼る方法が分からなかったし、そもそも助けてもらうという考え自体ありませんでした。人に「助けて」が言えない20代。

そして心と体が壊れました

しばらく底辺で出口の見えない暗闇トンネルさまよい続けましたが、最終的に色んな人に支えられて少しずつ人生が上向きに。最終的に光が射してきたとき感じたこと。「あ、なるほど!人に頼る、人に助けてもらうってこういうことなんだ」でした。ストンと心の中に何かが落ちた感覚。底辺から這い上がるには自分の力だけでは無理だとぼろぼろになってやっと気付いたのです。

そのうち、長女が生まれてますます周りに頼らなくては生きていくのが難しくなり、自然と周囲にヘルプを出せるようになりました。

ちなみに、「人に迷惑をかけてはいけない」というのは日本の文化ということは、みなさん知っていますか?有名な話かも知りませんがインドではどう言うか。「人に迷惑をかけてもいい。その代わりに、人から迷惑をかけられたときは助けなさい」インドの文化ではこれが当たり前です。これを初めて知った時もう目からウロコでした。親から学んだこととは真反対!なんてすばらしいと感動しました。私たちは生まれた瞬間から一人では生きていけない。すでに誰かのお世話になり、誰かの助けで生きていけているのです。

人に堂々と迷惑をかけるなんて傲慢だと思う人がいるかもしれません。しかし、「人に迷惑をかけてはいけない」と思っている人は、逆から考えると「人に迷惑をかけられたら自分も迷惑だ」と言っているのと同じことです。余程こちらの方が心の狭い人間ですね。「人に迷惑をかけてもいい」と思っている人は「迷惑をかけられたら自分も全力で助けてあげよう」と思える心の広さを持ち合わせているのです。素敵ですね!もちろん、迷惑をかけて助けてもらったら心からのありがとうを相手に伝えることは不可欠です。

私は娘が小学校2年生の7歳、息子が幼稚園年少の3歳でキレイデザイン学の資格を取りました。朝10時からの授業を6時間、何回も広島市内で受けていたので到底幼稚園のお迎えには間に合いませんでした。小学校の下校も間に合わない。その時助けてくれたのは近所の友人でした。バスのお迎えも行ってくれて、娘もその子のおうちに下校をさせてもらっていました。本当に感謝しています。資格取得では本当にお世話になったし、ハンドメイドのイベントでは夜になることもあったので、夕飯やお風呂まで入らせてもらうこともありました。彼女なしでは私は資格取得もできていなかったし、イベントにも出れませんでした。(あ、私の都合で旦那に有給を取ってもらうことも多いです(笑))

本当によくしてもらったので、その代わりに私もできるときには全力を尽くそうと思いました。近所の子どもたちを預かったり、一年前の全国一斉休校の時は働いてる友人の子どものおひるごはんを作ったり一緒に公園へ出かけたり、今も近所の子が下校してくることもあります。お出かけにつれってもらったりこちらが連れ出したり、同じ習い事ならお迎えはみんなでローテーションにしたり、まさに地域で子育て!大家族の母ちゃんの気分です(笑)

でもそれって本当に素敵なことだなと思えます誰かを頼りにして迷惑をかけたときに「すみません」ではなく「ありがとう」と言える器の広さ、人との関係。人に頼るということは簡単なようで簡単ではない。それは自分が身をもって体験したのでよく知っています。

私が子育てをするうえで大切にしている3つのこと

①ありがとうが言える子に

②ごめんなさいが言える子に

③たすけてが言える子に

特に就学までにつけたい力と思って意識しています。困っているときに助けて!と言える力はきっと大きくなった時に自分を助ける力になる、自分一人でがんじがらめにならなくて済む。私のように人生悩んでほしくない。大きくなればなるほどそのハードルは上がるから、今のうち。そんな思いを込めて日々子育てしています。

人に迷惑をかける力、みなさん身についていますか?

人に迷惑はかけてもいいのです。その代わり迷惑をかけられたときは助けましょう。

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